こんにちは!ヘイハチです。
今日は、コロナ禍の前に会ったとある学生さんと話した内容をご紹介しようと思います。
私は採用にも深く関わっており、学生さんと会う機会もたくさんあります。その中でポートフォリオや企画書を見たり、アドバイスをすることも数多くあります。
そんな中である女子学生との会話がとても印象的だったので書き留めておきます。
彼女はデザイナー志望で、私はポートフォリオの講評をしていました。そこまで突出した技術は感じなかったものの、丁寧に描かれた作品は好感が持てました。大手は難しくとも、希望の業界には進むことができるのではないかと感じていました。
アドバイスをしながらの講評も終盤になり、「聞きたいことがあったら何でも聞いてくださいね」と促すと彼女はなにか思うことがあるような、でも聞きにくそうな雰囲気を出してもじもじとしていました。
学生さんと話をするとよくあることなのですが、作品やデザインのこと、技術のことに留まらず、人生相談に発展することがよくあります。将来に対する不安、やりたいことはあるけどどうしたらいいかわからない、やりたいことが見つからない、進路変更により希望の業界に進めなそう、などなど、人生の岐路に立っている若者らしい悩みを持っている人は多いのです。
彼女もそうかも知れない
そう思い、「作品に関係ないことでも何でも大丈夫ですよ」と促してみると、意を決したように話してくれました。「私は自分の作品に自身が持てなくて悩んでるんです、周りの子は自信満々に発表ができてるんだけど、自分はそれができないのですが、どうしたら自信を持てるようになりますか?」と聞かれました。
ちょっとめずらしい質問でしたが、簡単に答えは出せそうでした。「自信はすぐに身につくものでは無いから、作品を作り続け誰かに見てもらうことで少しずつ評価が蓄積されて行くよ」とか、「自信なんてつけようと思ってつけるものではない、気がついたらついてるものさ」なんてどっかの安いセリフみたいなことを伝えようかと思ったのですが、彼女を見ているうちに、昔の自分を重ねてしまいました。
−過去の自分に話すように−
かく言う私も自分の作るものに自信を持つことができず、自分を卑下してしまうことがよくあったのを思い出していたからです。そこで、過去の自分に伝えるとしたらどう伝えるだろうかという視点で考えをまとめてこう話しました。
「いいじゃないですか、自信がなくて。自信って持っていないといけないものなんですかねぇ?」こう話し始めると、彼女は意外そうな顔でじっと目を合わせてきました。
「まず、自信がないことが悪い事だと思うのはやめましょう。自信がないことが武器になることがあります。特にデザイナーにおいては。」
「もしあなたがアーティストであれば、自信のある作品を作って世に評価を問うという事をし続けても良いでしょう。そういうことがやりたいのであれば、自信を持っている人のほうが成功する確率は高いかもしれません。ただあなたはデザイナーを志望している。デザイナーにおいては、自信が持てないことは武器ですよ。だって、自信満々で作ってたら、自分が作るものが正しい、一番だと思ってそれ以上良いものを作ることの障壁になります。」
「逆に作っているものに自信が持てないのであれば、『自信がないんだけどどこをどう直したらもっと良くなるだろう?』『見ている人にこう思ってもらうためにはこうしたらどうだろう?』と、その自信のなさを、作ったものをより良くしていくエネルギーに変えればいいんです。」
「デザイナーは、ものを作って、誰かに見てもらって、また直してということを繰り返して良いものを仕上げていく仕事ですよ。」と話しました。
今思えば、改めて自分に言い聞かせていたのかもしれませんが、その子は涙を浮かべながら、「そういった考え方を初めて聞きました。とても楽になった気がします。」と帰っていきました。気のせいか、少し晴れやかな表情に見えました。
別のアドバイスで彼女に自信をつけさせてあげられればよかったのかもしれませんが、そのような言葉を私は持っていませんでした。ただ、デザイナーとしての制作物に対するアプローチの一つを伝えることはできたのではないかと思っています。
願わくば彼女がデザイナーとして成長し、活躍することを祈るのみです。
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